滞在許可証とは?
滞在許可証とは、その字の通り”イタリアに長期滞在するにあたっての許可証”のことです。イタリア語では”Permesso Di Soggiorno (ペルメッソ ディ ソッジョルノ)”と言います。
まず、滞在許可証は”ビザ”とは異なります。ビザはイタリア入国(日本出国)前にイタリア大使館もしくは領事館で取得する、いわゆる”入国許可証”のようなものです。お住まいの地域によって大使館か領事館どちらでビザ発行の手続きするかは異なるので、手続き前に必ずご自身でご確認くださいね。
一方、滞在許可証はイタリア入国後8日以内に現地で申請します。8日以内に未申請の場合は、イタリアへの不法入国と見なされて法律にて罰せられる場合があります。そうならないためにも、イタリアに入国したらすぐに申請手続きをしてください!
※注意※
滞在許可証の申請方法は、イタリア国内の各州や自治体によって若干異なる場合があります。また、政府や法律が短期間で著しく変わってしまうことも多く、必要書類や金額、方法も突然変更されることも多々あります。必ず、申請前には各所で最新の情報を確認してから、申請手続きをすることをお勧めします。
以下の各ページも併せてご参照ください。
イタリア国家警察 (Polizia di stato)
イタリア郵便局 (Poste italiane)
申請に必要な書類
先述の申請方法と同じく、必要書類についても滞在目的や申請する自治体、担当者等によって若干異なることがあります。私も滞在許可証や滞在証の更新時に必要とされている書類が実際は必要なかったり、その逆のケースもありました。ここには基本的に必要とされる書類を記載していますが、不安であれば管轄の移民局等に問い合わせたり、必要と書かれていなくても重要そうな書類は手続き時に一緒に持参したりするとトラブルの確率がぐっと下がります。
また、書類については日本で用意しておいた方が良いものも多数あります。出発前に一通りチェックしておきましょう。
・パスポート/パスポートのコピー
→原本を忘れることはないと思いますが、コピーは日本で用意しておくのがおすすめです。イタリアでもコピーはできますが割高なことが多いです。もしイタリア到着後に自宅にプリンタがないけれどコピーをしたい場合、”Copisteria (コピステリア)”というコピー屋さんや”Fotocopie (写真現像店)、”Cartoleria (文具店)”などでコピーをお願いできます。
コピーする部分は基本的には写真のページとビザが貼ってあるページのみでOKですが、稀に全ページの提出を求められることがあります(私も一度全ページと言われたことがありました…)。心配な方は全ページコピーしておきましょう。
・長期滞在用の海外傷害保険証券原本/コピー
→留学生の方などは必要となるみたいです。私はイタリアの健康保険(SSN)に加入したので必要ありませんでした。SSNについては別記事に詳しく記載しています。
・財産証明(銀行の残高証明等)
→ビザ内容によっては必要となるそうです。私の友人(語学留学目的)は日本の通帳のコピーでOKだったらしいので、これも自治体や担当者によって違ってくるかと思います。
・留学先学校の入学許可証の原本/コピー
→留学目的の方は必ず必要です。ビザを取得する際に既にお持ちのはずなので、イタリアに持っていくのを忘れないようにしましょう。
・収入印紙(Marca da Bollo)
→収入印紙(画像左)は16ユーロ分必要で、”Tabacchi(タバッキ)”で買えます。画像右側のような黒地もしくは青地の看板が出ており、数も多いので見つけるのに苦労はしないと思います。
・申請手数料、振込手数料等の手続き手数料
→内容や滞在期間等によって変わってくるのでここでは明記しませんが、100-200ユーロほどで見ていただければと思います。
※以上は基本的に必要な書類となりますが、先述の通り滞在目的や期間、自治体、法律改正等によって変更となることが多々あります!必ずご自身でも一度必要なものをご確認の上手続きしてください!
申請方法
必要な書類が揃ったら、いよいよ手続き開始です。
①郵便局に出向く
まずは最寄りの郵便局(Poste italiane)に行き、窓口で”Kit(キット)”と呼ばれる滞在許可証申請書類一式をもらいます。大きめの郵便局ですと各手続きで窓口が分かれているので”Sportello Amico”という窓口に行きましょう。小さい所の場合は分かれていないことも多いので、まずは番号札を取って順番が来たら窓口にキットが欲しい旨を伝える形になると思います。郵便局は以下の画像のような黄色のマークが目印です。
基本的には”Buongiorno, vorrei un kit del permesso di soggiorno. (ブォンジョルノ、ヴォレイ ウン キット デル ペルメッソ ディ ソッジョルノ)”と言えば問題なく受け取れますが、タイミング悪くキットが在庫切れになっている場合もあります。その際は他の郵便局をあたる必要が出てきます。
キットは大きめの封筒で、左上に”Richiesta di rilascio/rinnovo del permesso/carta di soggiorno per cittadini stranieri”と記載があります。
②キットを郵便局に持ち込む
キット内の申請用紙に記入を済ませたら封筒に戻し、必要書類と一緒に再び郵便局に提出します。窓口は”Sportello Amico”、無い場合は番号札を取りましょう。窓口に一式を提出したらその場で窓口担当者が書類をチェックしてくれます。漏れ/不足等なく無事に書類が受理されたら、滞在許可証の手数料などの定められた料金をその場で支払います。
一通りの手続きが済むと、警察(Questura/クエストゥーラ)の移民局でのアポイント日時が記入された予約書、支払領収書、申請書受理証明が渡されます。移民局への出頭時に必要となりますので、大切に保管しましょう。
③アポイントの日に移民局へ
アポイント当日は以下の書類を持参しましょう。
・パスポート原本
・キットで提出した書類全ての原本
・キット提出時に郵便局でもらった書類全て
・証明写真4枚 (白背景が推奨。その他の色は受付けてもらえない場合があるので注意してください)
書類が不足していると追い返されます!持ち物は事前にしっかり確認してから家を出ましょう。
ちなみに、アポイントの予約書に日時の記載はありますが、その時間に受付してもらえるわけではありません。私はいつもアポイント時間に関係なく、開庁時間よりも早めに着くようにしています。それでも待つ時はかなり待ちますが…。一度妊娠中に手続きが必要になった際は優先的に手続きしてもらえたことがありました。
Questuraに着いたら、入り口もしくは中の窓口でアポイントの予約書を見せましょう。場所によってはQuesturaの建物が何ヶ所かに分かれているケースもありますが、”Ufficio immigrazione (移民局)”の記載がある所へ向かえばOKです。
自分の番が来たら、窓口に先述の書類一式を提出します。その後、指紋採取を受け、全ての手続きが完了したら申請受領確認書を渡されます。この書類は滞在許可証の受け取り時に必要になるのはもちろん、滞在許可証を受け取るまでの代わりの証明書となります。いつどこで警察等から見せるように言われるかわかりませんので、普段から携帯しておくことをおすすめします。オリジナルを持ち歩くのが不安な方はコピーを携帯し、オリジナルはお家で大切に保管しておきましょう。私は面倒なので毎回気にせず持ち歩いています(笑)
ここまでの手続きが完了すれば、後は滞在許可証が発行されるのを待つだけです。通常40日間ほどで発行されるという規定ですが、そんなに早く発行されるのは稀ですね。私は滞在証の更新時に8ヶ月ほど待ったことがあります…。
最近は、手続きの状況がオンラインで確認することができるようになりました。窓口で発行された”numero di pratica”もしくは”numero di assicurata”を入力すると、現在の状況が確認可能です。
④滞在許可証の受け取り
発行完了(受け取り)の通知は通常SMSで携帯電話宛に届きます。来ないケースも多からずあるようなので、先述のサイトで定期的に確認しておくのが良いかと思います。
※郵便局で提出した申し込み用紙にイタリアの携帯電話番号を記載していなかった場合は、SMSが届きません。自分で頻繁にサイトで状況確認する羽目になりますので、お持ちの場合は携帯電話番号は必ず記入しておきましょう。
滞在許可証発行完了の通知が届いたら、申請受領書に記載されているQuesturaへ出向き、指定の窓口で滞在許可証を受け取ります。その際には再度、郵便局や警察署で発行された書類全てを持っていきましょう。
最後に
以上で滞在許可証申請/受け取りは完了となります。やることが多く、内容や方法等が変更されることもしばしばあるので面倒だなぁと思うかもしれません。また、イタリアに来たばかりの方ですとイタリア語が全く/よくわからないというケースもあるかと思います。その場合は友人知人ご家族等、誰かしらイタリア語がわかる方に同伴してもらいましょう。わからないまま進めてしまうと不備やトラブルの原因となります。
イタリア語能力は継続して勉強していけば必ず身についていきますが、滞在許可証に関しては到着後短期間で手続きが必要です。避けるべきなのは、期限が過ぎて不法滞在になってしまうことです。最低限申請だけはしてしまえば問題ありませんので、手続き中に自力で解決できないことに遭遇した際は恐れず周りに助けを求めましょう!