ピッツァの歴史
ピッツァ(ピザ)の歴史はかなり古く、ピザ協議会というところでは以下のように言われています。
小麦を挽いて粉にして、水で溶いたものを焼くという食文化は、メソポタミア文明発祥といわれていますが、それが古代エジプトに伝わり、小麦粉を水で溶いたものを発酵させて焼く、というパンに進化しました。
https://pizzakyogikai.gr.jp/roots.html
古代エジプト人が作ったパンは、平らな丸い形に成形し、石窯に貼り付けて焼くというもの。まさにピザの原型ですね。
それは紀元前3000年頃のこと。今から5000年前に誕生した、この石窯焼きパンは、世界各地に広まって、さまざまな小麦の食文化に発展していきました。
イタリアで”pizza”として普及したのは16世紀に入ってからのようで、それまではフォカッチャが屋台で売られていたそうです。16世紀後半〜17世紀にイタリア南部で栽培されるようになったトマトからトマトソースが作られるようになり、ニンニク、オレガノ、オリーブオイルといっしょにフォカッチャにトッピングされ、”マリナーラ”と呼ばれるピッツァになったとか。
ナポリ近郊で誕生したモッツァレラチーズもピッツァのトッピングとして使われるようになり、後にイタリア国王と王妃マルゲリータが静養でナポリを訪れた際、ピッツァ職人から献上されたのが、トマトとモッツアレラ、バジルを載せたピッツァ。イタリア国旗の色合いのピッツァをマルゲリータ王妃がとても気に入ったことから”マルゲリータ”と呼ばれるようになりました。
その後もピッツァはイタリア国内で様々に発展していくこととなります。
アメリカンピザ
日本でもよく知られているアメリカンピザは、アメリカに移住したイタリア人移民が持ち込んだピザをアメリカ流にアレンジし、その後独自に発展していったものです。イタリア人移民が持ち込んでからしばらくはイタリア系移民のための食べ物のような扱いでしたが、だんだんと国民食となり、国中に普及しました。
アメリカンピザはイタリアンピッツァと異なり、ボリュームがあってモチモチしたパンのような生地に、具材を一緒に楽しめるよう作られています。このように変化していった理由としては、”かつて貧しい時代もあったアメリカ国内で、お腹いっぱい食べられるボリュームのあるピザが多くの人に求められたため”であったり、”パンの残り生地をピザ生地に用いていた”というような説があります。
そのためか上に乗せる具材に決まりはなく、色々なものを一緒にトッピングすることが多いです。タバスコや乾燥唐辛子をかけるのも特徴ですね。また石窯ではなくオーブンで焼き上げるのも特徴の一つです。
イタリアンピッツァ
イタリアンピッツァは実は2種類あり、ローマピッツァとナポリピッツァに分けられます。ローマピッツァは生地を縁まで薄く伸ばし、カリカリに焼き上げます。一方ナポリピッツァは生地の縁がもっちり柔らかく、高くなっているのが特徴です。イタリアのピッツェリアで通常”ピッツァ”として出されているのはローマピッツァであるお店が多数ですね。アメリカンピザと違い、どちらも石窯で焼きます。
またイタリアンピッツァはシンプルなものが多く、基本的にトマトソースとモッツァレラチーズをベースに具が1、2種類乗っているものが多いです。
日本のピザはどこから?
日本でピザが広まったのは1964年の東京オリンピック以降だと言われています。この際に広まったのはイタリアのピッツァではなくアメリカから輸入された冷凍ピザでした。簡単に美味しく食べられる冷凍ピザは、日本の多くの家庭で親しまれるようになりました。
今では冷凍ピザも宅配ピザも種類豊富にあり、和風トッピングの物なんかも出ていて完全にソウルフード化しているなと感じます。
イタリアのピッツァ事情
日本の宅配ピザと違い、イタリアのピッツァは基本的にはシェア前提ではなく1人1枚を食べます。そのため自分好みにカスタマイズする方も少なくありません。
グルメピッツァ系のお店だと少し難しいですが、普通のピッツェリアであれば追加料金で好きなものをトッピングすることが可能です。具材やお店にもよりますが、1種類あたり0.5〜2ユーロ程度でしょうか…。私は割りとカスタマイズする方で、その日の気分や旬の食材の入荷状況によって色々お願いしています。
反対に苦手なものを抜いてもらうことも可能で、これはお店によって抜いた分を割引してくれるところとしてくれないところに分かれますね。
ピッツァの食べ方
外で食べる場合はナイフとフォークで食べるのが一般的です。1口サイズに切って食べたり、少し長めに切ってクルクル巻いて食べたりします。持ち帰りや宅配等でお家で食べる場合、これは完全に人によりますね。私は手を汚したくない派なのでナイフとフォーク、夫はピザカッターで6等分くらいにして手で食べる派です。イタリア人の友人たちも半々くらいかなぁ…といったところでしょうか。
またピザ生地の耳の部分も食べる派と残す派に分かれます。私の場合、イタリアに来たばかりの頃は1人で1枚丸ごと食べきれなかったので耳を残していました。今は胃が慣れたのか食べ切れるようになったので、余程具だくさんのピッツァでなければ耳まで食べています。ただ、お店によっては耳の部分が結構焦げているケースもあるのでその際は残しています(汗)
最後に
いかがでしたか?最近は日本でも本格的なイタリアンピッツァを食べられるお店も増えていますが、機会があれば是非イタリアでも現地のピッツァを試してみてくださいね。