イタリアのスーパー等でよく見かける、大手メーカー「森永」の豆腐。ヨーロッパでは、森永のロングライフ豆腐(常温保存できる豆腐)が普通に売られていて、私もよくお世話になっています。
でも、日本のスーパーでは大手食品メーカーの豆腐ってあんまり見かけませんよね?キッコーマン、明治、森永といった大手企業が本気で豆腐市場に参入していないのは、ちょっと不思議に思いませんか?
実は、その背景には 「分野調整法」 という法律が深く関わっているんです…!

分野調整法ってなに?
分野調整法(正式名称:中小企業分野調整法)は、「大企業の参入を制限して、中小企業を守る」ための法律です。
豆腐業界は、この分野調整法の 「指定業種」 になっており、 大手企業が自由に参入できないというルールが適用されているんです。
つまり、 「豆腐業界は中小企業が中心だから、大手企業はあまり手を出さないでね」 という規制があるからこそ、大手メーカーの豆腐を見かけないということなんですね。
分野調整法の対象になっている業種の例
豆腐だけでなく、ほかにも中小企業を守るために大手の参入が制限されている業種があります。例えば…
• パン粉製造業 → 衣に使うパン粉は中小メーカーが多いため、大手の新規参入が難しい
• 木材加工業(建築用合板・フローリング材など)→ 地域の製材所が守られている
• 畳表製造業 → 国内の畳業者を保護するため、大企業の大量生産が制限されている
• 漬物製造業 → 地元ごとの漬物文化を守るため、大手の進出が難しい
こうした業種は、昔から地域密着型の中小企業が多いため、大手企業が大量生産で市場を独占しないよう、分野調整法の対象になっています。
なぜ豆腐業界が守られているの?
豆腐は水分が多くて日持ちしないため、昔から地域ごとの小さな豆腐屋さんが地元向けに作るというスタイルが根付いています。
また、日本には「この地域の豆腐はこの味!」という地元ごとのこだわりもあります。
大手企業が大量生産の豆腐を安く作るようになると、こうした地元の豆腐屋さんが廃業してしまう可能性が高いため、分野調整法で大手の新規参入が制限されているんですね。
じゃあ、なんでヨーロッパでは森永の豆腐が売られているの?
理由は単純明快で、海外には分野調整法のような規制がないからです。
また、ヨーロッパでは豆腐を伝統食品として食べる文化がなく、地元の小さな豆腐屋さんも存在しないため、そもそも守るべき中小企業が少ないんです。
さらに、海外では 「豆腐=ヘルシーな植物性タンパク質」 というイメージが強く、保存がきくロングライフ豆腐のニーズがあります。
こうした理由から、森永のような大手メーカーが海外市場に参入しやすい環境になっているんですね。
分野調整法があると、大手は絶対に豆腐を作れないの?
完全に禁止されているわけではなく、すでに豆腐を作っている大手メーカーが事業を拡大するのはOKだったり、新しいジャンルの豆腐なら参入しやすいという側面もあります。
例えば、ロングライフ豆腐や機能性豆腐(高タンパク・低糖質など)のような従来の豆腐とは異なる商品であれば、大手が開発して市場に出すことも可能です。
実際、森永のロングライフ豆腐は日本国内でも宅配・通販専用品として売り出されています。

とはいえ、一般的な 「普通の豆腐」市場には、やはり大手が参入しにくい環境になっています。
まとめ:大手企業が豆腐を作らない理由
1. 分野調整法によって、大手企業の参入が制限されている。
2. 日本の豆腐市場は中小企業が中心で、地域ごとの豆腐文化が強く、大手が入りづらい。
3. 海外ではこうした規制がなく、むしろ長持ちする豆腐が求められているため、大手が参入しやすい。
「日本でも大手が豆腐を作れば、もっと安くなるのでは?」と思うかもしれませんが、 地元の豆腐屋さんが支える文化が根強いため、すぐに変わることはなさそうです。
とはいえ、ロングライフ豆腐や機能性豆腐などの分野では、大手が少しずつ動き始めているので、これから新しい豆腐市場が生まれる可能性はありますね!