イタリア語学習第10回、今回は基本的なイタリア語の前置詞について見ていきましょう。前置詞は日本語にはありませんが、英語の”at”や”in”、”to”などのことです。
基本的な前置詞(preposizione)
a
場所や方向を示す前置詞で、英語で言うところの”to”や”at”に該当します。
例:Vado a Tokyo. (東京へ行きます)、Regalo i fiori a Veronica. (ヴェロニカに花をプレゼントします)
in
空間や時間を示す前置詞で、英語で言うところの”in”や”to”に該当します。
例:È andato in Italia. (彼はイタリアへ行きました)
di
所有や所属を示す前置詞で、英語で言うところの”of”に該当します。
例:È amica di Anna. (彼女はアンナの友人です)、Sono di Osaka. (私は大阪出身です)
da
起源を示す前置詞で、英語で言うところの”from”や”since”に該当します。
例:Da dove vieni? (君はどこから来たの?)
su
空間の位置について示す前置詞で、英語で言うところの”on”に該当します。
例:Il piatto è sul tavolo. (皿はテーブルの上にあります)
con
”〜と一緒に”というような意味の前置詞で、英語で言うところの”with”や”by”に該当します。
例:Vado a scuola con Luca. (私はルカと一緒に学校へ行きます)
per
空間や時間の通過を示したり、”〜のために”というような意味の前置詞で、英語で言うところの”for”に該当します。
例:Questo è per te. (これは君へのものです)
fra / tra
”~の間に”というような意味の前置詞で、英語で言うところの”between”に該当します。
例:Ti chiamo tra le 3 e le 4. (3-4時の間に君に電話します)
いかがですか?簡単そうに見えますが、実は上記に記載した以外の意味/用法もかなりあるのでその都度覚えていく必要があります。
冠詞前置詞 (preposizione articolata)
イタリアの前置詞の中には定冠詞を伴って形が変化するものがあります。
上に記したものの内、”a”、”in”、”di”、”da”、”su”の5つは変化するもの、”con”、”per”、”fra/tra”は変化しないものに該当します。変化するものについては以下の一覧を見てみましょう。※”con”は基本的に変化しませんが後述の通り稀に変化することがあります。
前置詞”a”の変化
| 付く定冠詞 | 定冠詞+前置詞 |
| il | al |
| i | ai |
| la | alla |
| le | alle |
| l’ | all’ |
| lo | allo |
| gli | agli |
前置詞”in”の変化
| 付く定冠詞 | 定冠詞+前置詞 |
| il | nel |
| i | nei |
| la | nella |
| le | nelle |
| l’ | nell’ |
| lo | nello |
| gli | negli |
前置詞”di”の変化
| 付く定冠詞 | 定冠詞+前置詞 |
| il | del |
| i | dei |
| la | della |
| le | delle |
| l’ | dell’ |
| lo | dello |
| gli | degli |
前置詞”da”の変化
| 付く定冠詞 | 定冠詞+前置詞 |
| il | dal |
| i | dai |
| la | dalla |
| le | dalle |
| l’ | dall’ |
| lo | dallo |
| gli | dagli |
前置詞”su”の変化
| 付く定冠詞 | 定冠詞+前置詞 |
| il | sul |
| i | sui |
| la | sulla |
| le | sulle |
| l’ | sull’ |
| lo | sullo |
| gli | sugli |
いかがですか?”in”と”di”が少し特殊に変化しますが、比較的規則的に変化しますね。こちらの変化形は会話中でもよく使いますのでしっかり覚えておきましょう。
稀な”con”の変化
前置詞”con”は、”per”や”fra/tra”と同じように基本的に変化はしません。ただし後ろに”il”もしくは”i”が来る場合、稀に”col”もしくは”coi”と書かれることがあります。
例えば”con + 定冠詞 + 交通機関の名詞”の形で移動手段を表すので、案内等で”col treno”(通常は”con il treno”)のような形になっていることも。とはいえ使うことはほぼ無いので、そういう変化があるんだな程度に覚えておけばOKです。
最後に
イタリア語の前置詞は用法が少し難しいものもあるので、少しずつ覚えていきましょう。使い分け方があるものもあるので、別の機会に記事にしようかと思います。
