SSNとは?
SSNとはイタリアの国民健康保険サービス(Servizio Sanitario Nazionale)のことです。イタリア国民はSSNへの登録を義務づけられていますが、EU圏外の国籍の外国人については、滞在理由によって任意加入とされているケースもあります。
◎加入が義務となる主なケース◎
自営労働者、従属労働者、季節労働者、失業者リストに登録中の方、家族滞在者、国際保護対象者、養子縁組申請中の方、国籍取得など
◎加入が任意のケース◎
修学理由の滞在許可証を所持している学生、宗教活動従事者、ボランティアプログラムに参加者、イタリアで活動する国際機関の外国人職員、イタリアで活動する外国公館の外交/領事職員(現地採用職員を除く)など
◎加入できないケース◎
ビジネスや観光等で短期滞在する方など
長期滞在で日本から来られる方ですと留学生の方や国際結婚の方が多いかと思いますが、前者は任意、後者は義務となりますね。私は自営業かつ配偶者がイタリア人なので加入しています。
申請方法
任意加入の場合と義務の場合は申請方法等が異なります。手続きや必要書類については、地域によって若干異なったり変更されたりすることもありますので、事前に地域保健所(ASL)に確認しておくことを推奨します。
◎任意加入(留学生の方など)の場合◎
①保険料の支払い
まずは郵便局等で保険料を支払います。振込用紙は郵便局でもらえます。※振込先情報等はお住まいの地域を管轄する地域保健所(ASL)で確認してください。
また、保険料は申請時期にかかわらず1~12月の1年間分を支払います。金額は手続きするタイミングや滞在理由によって変わってきますので、詳細に関してはお住まいの地域を管轄するASLに事前ご確認ください。
②ASLにて申請手続き
保険料の支払いが完了したら、管轄の地域保健所(ASL)に出向いて申請手続きしましょう。必要な書類は基本的には以下となります。
・有効な滞在許可証 (滞在許可証の初回申請中もしくは更新申請中の場合には、その申請書類)
・身分証
・納税者番号証(codice fiscale)
・住民登録を証明する書類(autocertificazione di residenza)もしくは居所申告書 (dichiarazione di effettiva dimora)
・保険料の支払い票
・(留学生もしくはそれに準ずる方は)修学コースへの登録を証明する書類
◎義務加入の場合◎
・滞在許可書(Permesso di soggiorno)もしくは滞在証(Carta di soggiorno)原本とそのコピー
・納税者番号証(Codici fiscale)
・住民登録票(Certificato di residenza)
上記の書類を持って地域保健所(ASL)に出向いて申請手続きしましょう。費用について、家族滞在(イタリア人の配偶者)の場合は無料でしたが、他のケースはいくらかかかるかもしれません。事前に確認しておくことを推奨します。※有料の場合は申請前に郵便局等で保険料の支払いを済ませてから手続きを進めてください。
ホームドクター選び
イタリアはホームドクター制度を採用しており、申請時にどのドクターにするか選びます。受け持ち患者数に上限があるため人気のあるドクターは空きがないことが多いのですが、基本的にはどのドクターを選んでも問題ないと思います。私の周りですと、自宅からの距離や受付時間等を基準にされる方や同性のドクターを選ぶ方が多い印象です。
通常は家族全員同じドクターを選ぶケースが多く、ドクター側も”同じ家族ならOK”と受け持ちの上限を超えて受け入れしてくれることも多々あります。ご自身の事情に合ったドクターを選びましょう。
※ただし、14歳までのお子様は小児科医が担当ドクターとなります。
ちなみに、私は夫とは別のドクターにしています。理由は主に2つで、申請時に夫のホームドクターが後数年で定年だったというのが1つ、もう1つは私の選んだホームドクターが可能な範囲でデジタル化しており、処方箋や予約票の発行程度であればアプリやメッセージで完結するので楽だったからです。イタリアはまだまだアナログなドクターも多いので、LiD持ちの私としては電話しなくて済む点だけでもかなり助かっています…。
保険証の受け取り
手続きが完了すると仮の保険証がもらえます。保険証(tessera sanitaria)本体は登録した住所宛に後日郵送で届きますので、定期的にポスト等を確認しましょう。病院以外で使うこともありますので、お財布等に入れて常に携帯しておくことをおすすめします。
参考サイト
・Ministero della Salute (イタリア保健省):義務加入者向け情報 ※イタリア語
・Ministero della Salute (イタリア保健省):任意加入者向け情報 ※イタリア語
・在イタリア日本国大使館:国民健康保健サービス加入方法のお知らせ